categorySD用 日本刀(打刀・脇差・太刀)

●SD用日本刀 大刀「加州清光 写」

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6月前半の空梅雨が嘘のように
ここ数日は豪雨続きのこちら瀬戸内地方。
気温や湿気が低すぎても高すぎてもなかなか乾かない
不思議塗料・漆の工程とたたかいつつ
今回は梅雨のまっただ中、
頑張ってこんな御刀をこしらえておりました。




今作は、新選組・沖田総司の佩刀、加州清光の写。
古刀期から新々刀期までの12代にわたって
直刃文を多く残した歴代清光ですが、
今回はちょっと珍しい乱れ刃文の作品を現存する一振から選び、
その端正な姿と互の目乱れの美しい刃文を
SDスケールで再現しました。

清光といえば模造刀業界でも
赤鞘の半太刀拵がすっかり慣例化していますが、
当作では黒地に赤の乾漆を用いた綺麗な石目塗り鞘に仕立て、
唐草を浮き彫りした金色の刀装も艶やかな一振となりました。
どうぞ上の画像をクリックして詳細をお確かめください!(^ω^)/


土方歳三佩刀の和泉守兼定も赤黒の石目塗鞘が有名ですが
今回はその石目塗りについて、
ちょっと掘り下げてご説明してみたいと思います。↓
石目塗りとは漆塗りの技法の一つで、
乾漆を用いて、磨いた石の肌のような
微細な模様と質感を表現する技法です。

乾漆というのは、漆塗料をガラスに塗って乾かし、
数日水につけてまた乾かしたものをこそげ落とし、
砕いて粉にしたもの。
今作の鞘のため、犬吉さん1週間かけて赤の乾漆を作りました。



我が家の設備では1週間かけても、
写真のように大さじ1くらいの量しか作れないので、
大事につかわないといけません(^ω^;)。



兼さんや今作のような赤黒の石目塗鞘の場合、
下地に黒漆の呂色塗りを数回重ね、
赤の乾漆をまぶして乾燥させ、また黒漆をかけて乾かしたものを
滑らかに研ぎ上げます。
ちなみに、艶はあっても微妙にマットな石肌のような質感を残すため、
透明漆は掛けません。

春先や秋口の気候の良い頃なら1日2回は可能な塗りと乾燥も
この時期はようやっと1回できるかどうかですので
けっこう日数がかかりましたが
貴重な乾漆をふんだんに使った、今までで一番赤みの強い
華やかな石目塗り鞘が上がりました。



右の画像はマクロレンズでの接写。
研ぎ出された乾漆の粒が花を散らした様です。(^ω^)b

朱鞘・赤鞘は、古来より神社や鳥居などを赤く塗る丹色に
破邪の力があるとされることから
御刀にも用いられてきたものですが、
戦国時代にスタイルの定まった打刀は質実剛健な黒漆拵が基本で
よほどのかぶき者でなければ朱や赤の呂色は用いず
江戸期ともなると、赤い拵といえば
この石目塗りが主流だったみたいです。
利休茶だの路考茶だの、侘び寂び色を粋とした江戸の人々には
これくらいのダークな赤がお洒落に映ったのでしょう。




石目の赤鞘を縁取る真鍮無垢の刀装は
ハート型に見える伝統意匠の猪目透(いのめすかし)を基調として
複雑なスカラップに切り出し、唐草のレリーフを施した
豪奢なデザインになりました。

鞘の先端に着せた鞘尻(鐺)は突兵拵という
突撃兵のための先が滑らかに尖った刀装だそうで、
もともと西洋剣のコーン状に尖った鐺から来たものですが
洋式調練が取入れられたことで幕末の御刀によく使用されたとか。
いろんな様式のものがあるそうですが、
この鞘尻は帯刀した時に下になる方の先端が
やや尖るデザインになっています。


もちろん拵ばかりでなく、
新々刀期の現存作から写した、幕末スタイルとも言うべき
反り浅く雄大な刀身そのものの出来にも
ぜひご注目くださいね。



清光の作には珍しい乱れ刃文の現存作を写した今作、
まさにザ・カタナ!な刃文がよくわかる写真が多いですが
上のように、光線の具合によっては
匂口の締まる、つまり地鉄との境目がくっきりしているはずの刃文が
はっきり見えたり見えなかったりしているのが
おわかりいただけるかと。

オークションの説明では省きましたが、
いつもなにかと繰り返してます「見る角度によって顕幽する刃文」とは
こういうことなのです・・・って
いつも撮りきれてなくてすみません(´ω`;)


↑鎬(しのぎ)もくっきり立った
い〜い御刀ですよ!(^ω^)/




今回の背景は、花の盛りの南天。
去年の今頃、同じ庭から切って来た花南天を
「之定 写」の撮影に使いましたが
あの折のいとみやび〜なたおやかさはどこへやら、
枝ぶりも葉もワサワサ大きくて、なんだかワイルドな南天です。
でも、幕末の激しい風雲を感じるオツな背景になったのでは。。。(^ω^)
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