categorySD用 日本刀(打刀・脇差・太刀)

●SD用 日本刀 大刀「月灯」想 燭台切光忠

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本年一振り目のドール用大刀を出品しました。
今作のお題は、関東大震災で焼損した悲劇の名刀、
伊達家〜水戸徳川家伝来の「燭台切光忠」です。




全長42cm、刀身36.8cm、反り0.9cm。
踏ん張りのある腰反りで、すらりと長い
長船派の太刀らしい勇壮な姿の刀身に
小乱れに互の目まじりの小丁子という繊細な刃紋。
シックな黒漆の打刀拵には黒染め真鍮の刀装具を多用し、
初めて無垢の真鍮を用いた鍔には
伊達家にゆかりの深いモチーフでもある
竹と雀を浮き彫りしています。

また御刀の飾り台も、今回初めての試みで
鹿角刀掛台を誂えてみました。
伊達家の御刀にはぜひ合わせたい、刀鍔眼帯も付いてます。
どうぞ上の画像をクリックして詳細をお確かめ下さい(^ω^)/


さて燭台切光忠に関しては、伝来や逸話は有名なものの
残念ながら御刀本体の特徴については
無銘ではあるが長船光忠に間違いないことと、
あとは刀身の全長くらいしか記録が見つかりませんので
今回は現存する重文の「太刀 光忠」より
姿と刃紋を写しました。

また、奥州伊達氏の筆頭家紋である「竹と雀」にちなんで
真鍮鍔をはじめ縁・縁頭・目貫、そして刀鍔眼帯に
同じ題材の図を彫り込んでおりますが、
これらは商標登録されている伊達家の家紋と
同じ図形や類似図形ではない
伝統意匠の「竹と雀図」を参考にしています。

Gettou-14.jpg

戦国一の洒落者だった伊達政宗公の愛刀の一ならば
かくあれかしとイメージしてお作りしました
実戦的かつ洒脱な拵に
古美色を添える太刀風の真鍮鍔。
皆様の燭台切光忠のイメージに合致しましたら幸いです。


ところで、今回はじめての鹿角刀掛台。
こちらなんと、本物の鹿の角を加工して作りました。

150214-鹿角

や、里山にはありがちなことなんですが、
近在にあるトイガンショップのご主人が猟師さんでして。
猟期まっただなかの今、獲物の鹿が冷凍庫を圧迫してるとかで
鹿肉をたくさんおすそ分けして頂いた時に、
「ほう工芸もやるのかね」と
この鹿角も一緒に下さったのです。

ある程度駆除をしなければならないとは言え
鹿は猪に比べれば圧倒的な不人気食材。
田舎ではなかなか貰ってくれる人もいないとの事でしたが、
鹿肉、めっちゃ美味しいです!(≧ω≦)
シチューも美味しかったですが、
BBQでミディアムレアが最高ですね。
脂が無いからいくらでも食べられました。

おっと脱線。
しかしこの角をこのまま
SDスケールの掛け台にできるわけはありませんので
太い部分から鹿の角の形に削り出して1/3に仕立てたのですが
「いやこれ鹿の角じゃなくても良くね?」って
やってる最中に犬吉さんボヤき出しまして。(^ω^;)
でも角だって無駄なく何かに使ってあげなきゃ
鹿も命をくれた甲斐がないというものです。

結果、本物通りに土台は木製ですから
角部分を石塑などで造形するより
丈夫でバランスの良い掛け台に仕上がりました。
本物の角ってことはつまり、比重が同じですものね。
これ大事かもしれません。

頂いた鹿の角は掛台でほぼ使い切りましたので
今回のような刀掛台、次があるかどうかは未定です。
まだ知り合って間もない猟師さんですので
次に鹿の角を譲って頂ける機会はいつになるか。
(しかにくまたたべたい…)Oo。(・ω・)


今回の庭撮りは、夜間撮影になりました。



いつもは刀身の刃紋がよく写る夕方を狙うのですが
時間が押して日が暮れてしまったので、
どうせなら燭台切光忠さんらしく蝋燭で照らしてみようと。
でも蝋燭一本では真っ暗になって何も写りませんでしたから
遠距離から照明を当てたら、
なんとなく「必殺」チックな画像に・・・(・ω・;)
か、格好よく決まったのかしら、これ。


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⬛︎2015年5月17日 追記

長い間、関東大震災で焼失したと思われていた
「燭台切り光忠」が、
昨今の刀剣ブームで日本刀に注目し始めた人々の声を受け
5月17日、水戸市の徳川ミュージアムで公開されました。
火災のバックドラフトで蒸し焼き状態になり
拵や波紋が失われ、黒焦げの姿となったものの、
刀身自体はしっかりした状態で残っているとの事です。

正真正銘の燭台切り光忠が現存していた事が分かりましたので
以前、当記事において
「焼失した幻の名刀」とご紹介しておりました所を
本日訂正させていただきました。

焼損した燭台切り光忠の刀身は
銃刀法上「刀剣」とは認められなくなっており
通常、研ぎや拵の製作等に出す事が出来ないので、
再刃への道は厳しいとか。
しかし溶けたはばきが金色のうねり模様を成す漆黒の刀身は
それはそれで壮絶な美しさがあります。

このまま静かに歴史を語り続けるとしても
奇跡が起こって再刃され、旧来の姿を取り戻すとしても、
稀有な運命を辿った文化財として
どうか未来永劫、この御刀が大切に守られて行きますようにと
切に願います。
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