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女国重の里

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今日はすごくいい天気で、涼しくて気持ち良かったから
久しぶりに犬吉さんとドライブして来ました。
と言っても、夕方のほんの1〜2時間ほど、
いつも矢掛町経由で井原市へ買い出しに行ってる
お馴染みの道筋でしたが。

130916-01-夕暮れ

いきなりですが、女性の刀匠がいたって、ご存じですか?
刀に限らず、古来より製鉄や鍛冶は女人禁制のもので
婦人は御刀に直接触れてはならないという風潮もあったのは
良く聞く話ですが
なんと江戸時代に、女性の刀匠が存在したのです。
歴史上ただ一人!

備中後月郡荏原郷(現在の岡山県井原市)の刀匠
水田伝十郎国重の娘で、大月 源 という女性。
なかなか良い仕事をされたそうで
「女国重」と銘打たれた短刀が現在も残っています。

そのお源さんのお住まいの跡が石碑で残ってるっていうから
ドライブがてら探してみたら、
すっごくあっけなく見つかったですよ(^ω^)
130916-02-石碑

我が家の本棚に、人から頂いたもののすっかり忘れてた
「備前刀」っていう本があったので
犬吉さんが最近つらつら読み返してたんですけど、
その中に「女国重」についての記事が見開き2ページもあって。
時代は違えど、すっごく近所のお話だったのに驚いて
いちど訪ねてみたいね〜と話してたのでした(^ω^) 。

なにより犬吉さんは
現代ならばいざ知らず、刀が実用品だった遙か昔に
アコガレの職業のひとつだった刀鍛冶として
女性が名を馳せていたということに
ずいぶん感銘を受けてました。
なにせ彼は「デキる女」が大好きで
一番理想の女性像は「ルパン3世」の不二子ちゃん。
「だって奴はヘリや戦車まで操縦できるんだよ?」
とか言われれば、まぁそりゃ納得するしかないんですが。
そんなわけで、彼はいま 絶賛お源さん中 なのです。


「備前刀」という本、トリコも読んでみました。
日本刀の研究家で、備前・備中刀と肥前焼きを扱われている
博物館員の方が著者というだけあって
玉鋼を造るタタラの構造や工程から始まって
えらいマニアックな内容がめくるめいてます。

刀剣にぜんっぜん疎いトリコはまたもや知らなかったんですが
岡山って 刀剣王国 だったんですね。
古くから鉄の名産地だっただけでなく
作刀に適した年間気温で、水や炭、その他副資材の供給に関しても
気候風土すべてにおいて恵まれた環境なんですとか。
後鳥羽上皇の時代、毎月一振りずつ朝廷に刀を献上するため
全国で12人の刀匠が選ばれたという
「御番鍛冶」では
12人中、実に10人が備前・備中の刀匠だったそうですし
現在でも国宝・重文級の刀剣の大半を
備前刀が占めるのだそうです。

そして作刀の段になると出てくるのが、
日本刀は武器としては物理的にも化学的にも1000年前に完成されてしまって
現代科学をもってしても全く超えられない、的な話。
鎌倉時代初期以前の、いわゆる古刀が非常に切れ味よく、しかも軽いのは
ざっくり言えば、それ以降の時代の刀とは
鉄の組成が違うのだそうです。
なぜ違うのかは、原料の質や、製鉄・鍛造技術の様、時間や温度など
色んな要因があるのでしょうが
とにかく古刀の鉄の組成を再現するのは、
薔薇の作出家が目指すブルーローズよろしく
現代刀匠の浪漫なのだそうですよ。

刀について、今までより少し踏み込んでみた事で
鉄という物質の歴史的・ミクロ的奥深さを知るとともに、
千年前の南蛮鉄の流入と近代の廃刀令によって途絶えた
古代のテクノロジー、
武器としての需要、流通、資源、環境・・・
たくさんの失われたものへも思いを馳せてしまいました。


田舎暮らしを始めようとやってきた先で
はからずもお人形の刀を作ることになってしまった我々ですが、
現代でも実際に生業として刀鍛冶をされている方々のご苦労は
まったくもって計り知れませんものの、
限りなく似た姿のものを扱う上で
なんだか今回すごく良い勉強ができたような。
ご近所にいらしたというお源さんのお陰で、トリコも少しだけですが
日本刀の魅力が分かってきた気がします(^ω^) 。
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